Blue. とのコラボボード フィル・エドワーズ 7’6”

みなさん、こんにちは!

Blue.の最新号はもうご覧になりましたか?

最新号はこの表紙

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今回は「歴史はロマンだ」 と銘打って、サーフヒストリーをひも解いています

その中のBlue.Shop のコーナーで販売するコラボレーションボードを当社にお声をかけていただきました

そして、出来上がったのがこちら

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HOBIE×BLUE.
Phil Edwards Model 7'6" です。

ここに至る経緯から、お話させてください。

以前より、コラボボードについて、将来的に是非やりたいですね。
という感じで、話には上がっていたのですが
いよいよ今回お声をかけていただきました。

まず、オファーをいただいたのは、
Blue. らしいもの
そしてHOBIEらしいもの
そして、唯一無二、なもの
このようなオファーからスタートしました。

HOBIEらしい、ということで上がったのは、
やはり「ロングボード」、「リアルクラッシック」、「ヒストリカル」などのワードでした
Blue.らしいものということで上がったワードは
「ロング、ショートにとらわれない」、「読者が喜ぶ」、「ミッドレングス?」
といったワードでした。
そこで、FISHやミッドレングスのモデルもお勧めしたのですが
いまいちピンと来ず、そして唯一無二感がでない感じもあり
どちらからともなく、「Phil Edwards モデルのミッドレングス」
というところに行きつきました。
しかもBlue.側からはやはり唯一無二感を、ということで長さを7'6"でできないか
というオファーを受けました。
これは話題性もあるし、歴史感があり、ロングもショートもミッドレングスもという、Blue.読者の皆様には、ぴったり!
ということで、その方向で話を進めることになりました。

しかし、果たして7’6”でできるのか、という解決しなければいけない問題が一つありました。
フィル・エドワーズというと、60年代にもっともスタイリッシュなサーファーとして、世界に名を馳せた人。
サーファーマガジンが1963年に開始したサーファーズ・ポール・アワードの第一回目で1位を獲得した、伝説のサーファーです。
そしてこのPhil Edwardsモデル が世界で初めてのサーファーの名前を冠したシグネチャーモデルとしてリリースされたほど。
ですが、ロングボードをこよやく愛したPhilは60年代後半から始まるショートボード・レヴォリューションに嫌気がさし、サーフィン界から姿を消したのです。その後、ロングボードのリバイバルのタイミングで業界に戻ってきたのです。
つまりフィルは、ショートボードが大嫌い!      だったのです。
そして、彼は昔から気難しいので有名で、Capistorano Beachの小高い丘の上に住んでいて、なかなか降りてこないで、人の前に姿をめったに見せない、という人なのです

Classic Phil 1504

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そんな彼が7'6" という長さを了解してくれるのか???
そこが一番の懸案事項でした。

そこで、HOBIE社に連絡を取り、日本で最も影響力のあるサーフィン雑誌のオファーだから
なんとか話を付けてくれ、と依頼したところ、
現在サーフボード部門のゼネラルマネージャーをしている クリスが、非常にフットワークよく動いてくれました。
2017年のPhil Edwards モデルの復刻に尽力した、マーク・ジョンソン、そして勿論現在のHOBIEの生き字引、ゲイリー・ラーソンとタッグを組み、フィル・エドワーズの自宅までおもむき、直談判してくれたのです。
素晴らしい動きに感謝、感激です。

その甲斐あってか、フィルは快諾してくれました。

その時の写真がコレ
Phil#24


それだけではなく、フィルからの提案で、「それなら俺のアイコンとなる写真をモチーフにデカールを入れよう」などという提案までしてくれたのです。

それがこれです

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こうして、世界初の7'6"のPhil Edwards モデルに着手することになりました。
いままで、Phil Edwards モデルとしては8’までの短さならば存在していましたが、7’6”というのは初めてのことです。
ショートボードレヴォリューションから約50年の月日が流れた2019年に、フィル・エドワーズ本人からOKが出た、という奇跡のボードの誕生となったのです。



全てシェイプはフィルが信頼をおいている、Gary Larsonに任せる、と
しかし、内容は、フィル自身が一番気に入っているシェイプの67年のPhil Edwardsモデルをダウンサイジングする、ということになりました。これは63年に誕生したフィルモデルですが、改良を重ねて67年にはかなりフィル自身がお気に入りの、機能的なシェイプになっていたということで、そのシェイプを採用してくれ、ということだったのです。
1967年というと、まさにショートボードレヴォリューションが始まった年ですので、いわゆる60年台のロングボードデザインの成熟期、そして、ショートボードレヴォリューションの誕生の年代ということになり、今回作った7’6”という長さにはもってこいのデザインになりました。


そして、HOBIE らしい、フィル・エドワーズらしいそしてBlue.らしいディテールになりました
3ストリンガー
ヴォランクロス
ヴォラン・デッキパッチ
ウッド・テイルブロック
レジン・リーシュ・ループ

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そして、Blue.らしく、 ブルーの フィル・エドワーズ・デカールに統一しました。
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まるでクラッシックロングボードそのままをダウンサイジングしたボードとなっています。


そして、これが、ゲイリー・ラーソンが実際に今回のボードをシェイプしている最中の写真です
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勿論、すべてハンドシェイプです


そうして、出来上がったのが、こちらだったのです

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ゲイリーからはこのボードのシェイプについて、コメントも届いています

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要約すると、
ゲイリーはこのボードを削ることができたことを非常にうれしく感じていて、フィル・エドワーズや、先人達へのリスペクトは深まるばかりだ。今回のPhil Edwards モデル7'6"を削るに当たり、オリジナルサイズの9'6"の良さを損なうことなくダウンサイジングすることに非常に気を使った。グライド感とスピードを損なわず、パフォーマンス性能を大きくアップしたボードになった。特にレイル形状の変化に気を使い、ノーズエントリー部のアップレイルから 70/30になり、テイルエンドは90/10とうソフトダウンエッジへ、このすべてのディテールが、グライド、トリム、スピード、ターンに影響している。 
と言っています。


個人的に私が感じるこのボードのライディングテイストの印象は、こんな感じです。
一見GUNのようにも見えるアウトラインから、比較的大きい波でものすごく乗りやすいのではないかと思います
長さの割にはパドルが進むデザインですね。なので、大き目の波をマッシーなセクションからも追いかけられそうです。
勿論掘れるセクションからも急降下できそうなボードです
そして同じ長さのボードと比べるとスピードが確実に早いとおもいます。
レイルを入れるとより加速する感じでしょうか。ノーズボリュームが小さいので、ボードのセンターに乗っていれば加速できる感じだと思います。浮力感も多少あるので、レイルの出し入れで気持ちの良いトリム、加速が可能でしょう。
そして大きくターンするときは後ろ足だけ少し下げる程度でコントロールできそうな感じです。
また、テイル側のアウトラインが比較的パラレルになっていて、テイルはソフトエッジドスクエアテイルなので、かなり引っかかりそうです。そこを中心に一気に返すことも、テイルを踏めばできそうな感じです。
なんでもできる一本ではないかと思います。
対応する波のサイズは、小さい方は腰~腹は欲しいかなと思います。大きい方は、あなた次第、と言いたいですね。私ならどこまで大きくてもこのボードで行きたいです。ゲットできればですが、、、


確かに、この7'6" のPhil Edwards モデル、
非常にそそられます。
このリアルなクラッシック感、 そして現代のBue.ジェネレーションの私たちが扱いやすそうな長さとボリューム感。一見GUNチックな気合が入るアウトライン。
そして裏付けされる間違いのない、本物の歴史。なのに 新しい初めての長さ、
ロングボードの良さと、ミッドレングスの良さを両方兼ね備えている、
奇跡のフィル・エドワーズ本人の許諾、などなど。
ボードを見ていると、自分の中でぐるぐるとまわって、何度も何度も、乗りたくなります。
そうです、一番欲しいのは、私です  笑

ですが、ここは読者の皆様に、是非乗っていただきたく、我慢します。

限定3本のこのボード。今はまだ一本だけ当店店頭にございますので、ぜひご覧になりにご来店くださいませ!




そして、今回この企画のお声をかけていただいた、ネコ・パブリッシングの
戸井田編集長、編集の渡辺さん、そしていつもお世話になっている斉藤さん
ありがとうございました

また、US HOBIE 社で、フットワーク良く動いてくれた クリス・カーロウ
勿論シェイプしたゲイリー・ラーソン。
フィルとの間を取り持ってくれた マーク・ジョンソン
そして、ミスター・フィル・エドワーズに 感謝したいと思います。



HOBIE SURFBOARDS JAPAN
Kaimana Trading
代表  井上




















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