TOM MOREY INVITATIONAL ノーズライディングコンテスト

先日のゴルフ場で行われたHOBIE ALTER メモリアルセレモニーでBruce Brown や、Mike Hynson と一緒写っていたTom Morey について、
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Mike Hynson とTom Moreyこの右側のひとは誰?という声があったので、ここで紹介させていただきます。

TOM MOREYといえば、後に MOREY ブギーボードの開発で一躍有名になった人、といえば、皆さん、ご存知の方も多いはず。
でも、それ以前に、こんなすごいことを、やっていたんです。

Tom Morey Invitational Nose Riding Contest
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それは1965年7月3日、4日 の独立記念日に絡めて行われた。
TOM Mory主催の、奇妙なコンテストが。
このコンテストはVentura のC street で行われた。
賞金がかかったコンテストとしては、初めての事だった。賞金は1,500ドル。
参加費が50ドル、参加者は招待選手のみ.
一部を紹介すると下記のとおり

David Nuuhiwa, Corky Carroll, Mickey Muñoz, Dewey Weber,
Mike Doyle, Mike Hynson, Robert August, Skip Frye,
John Fain, そしてDonald Takayama
という、そうそうたる顔ぶれ。

「C streetはポイントブレイクで、コンテストには、最高のブレイクだった。
おまけに、駐車場も事欠かないし、波だって豊富。コンテストエリアの外でも練習できるし。最高だった。」
とMickey Munozは言う

このコンテストは、ノーズにいた時間のライディングの合計をマキシマム14本のライディングで競うコンテストで、今までには無い全く初めての試みだった。
ボードの先端25%のところに、ラインを引いて、そこよりも両方のかかとが、前にあればそれがノーズライドとみなされ、そこにいた時間を合計する、というものだった。

このコンテストには、各ボードビルダーから開発されたノーズライダーを各チームライダー達が、操り、ボードの開発能力を競うこととなった。
このコンテストで勝てば、爆発的セールスになること間違いなしということで各メーカー血眼になり、ノーズライダーの開発をした。

Mike DoyleのHANSENチームはボードのテイルから、ストリンガーを10フィートも伸ばし、10フィートのボードに10フィートのストリンガーを延長することにより全長が20フィートにもなった。
他のチームも2×4の木材で延長したチームもあった。
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ノーズエリアは、ノースから全体の25%ということだったので、実質のボードの真ん中にいればいい、という解釈。
かなりインチキで、屁理屈のような解釈のボードを持ち出した。
これには、参加者たちもクレームを入れ、TOM MOREYは、このボードを、失格としたのだった。
そしてこの延長木材はのこぎりで切り落とされたのだった。

他にも、テイルを重くすれば、ノーズが浮くという理論から、テイルにブロックをくくりつけたボードを持ってくる者もいたりノーズに、大きなフォームをくくりつけて、ノーズの浮力を大きくして、沈まないようにしたボードを持ち込む者もいた。
TOMはこれらは、ほおって置いたが、このボードたちは、全く機能しなかった。

他にもウイングフィンをつけたり、ノーズを真四角にしたり、ノーズに足を固定する。
ストラップをつけたり。
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なんとも奇妙なコンテストとなった。


「HOBIEチームでは、Phil EdwardsとHOBIE ALTER そして、Mickey Munozが最初のノーズライダーのデザインを開発した。」と、CORKY CARROLLは言う「彼らは、開発の全てを、秘密裏に進めたんだDANA POINTの丘の上の倉庫でね。
彼らは、この俺にさえ、コンテストの前日まで、ボードを見せてくれなかったんだ、
そして、前日、早朝5時にSan Onofreの The Point というポイントに俺を連れて行った。
あたりはまだ真っ暗さ、
そして、彼らは、1時間だけ俺にそのボードを乗せて、練習させたんだ。
明るくなる頃には、もう海から上がらされたよ。
そう、彼らは、コンテストの日まで、誰にも、それを見られたくなかったんだ。
他に真似されたらいけないからね。」と、Corky Carrollは言った。

「HOBIE とPhil Edwardsと俺は、コンケーブリフトについての実験を繰り返し、最後にノーズライダーを完成させたんだ。
世界で初のコンケーブノーズライダーをね」とMickey Munoz
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この頃Mike Hynsonは、Gordon&Smithチームに移籍した直後で、Skip Frye とともに、チームで参加。
ノーズがかなりワイドなボードを持ち込んだ。
しかし、そこには、コンケーブという概念がなかったのだ。

HOBIEが開発したNOSERIDERだけが、コンケーブを有する本物のノーズライダーだったのだ。

HOBIE チームは、HOBIE ALTER 、PHIL EDWARDS を監督としMickey Munoz と、当時の最若手、Corky Carrollが選手として参加。
このコンテストは、二つに分かれていて、レギュラーフッタークラスとグーフィーフッタークラスに分かれていた

結果は、見事、レギュラーフッタークラスではMickey Munozが合計67.0秒というタイムで優勝。MikeHynsonが、ギリギリ0.7秒差で、2位だった。
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その時の Mickey Munoz

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その時の MIke Hynson

そして、グーフィーフッタークラスでは、Corky Carrollが合計62.2秒でこれまた優勝。Corkyは2位のDewey WeberチームのDevid Nuuhiwaに10秒近くさをつけてのフィニッシュだった。
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Corky Carroll
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その時の Corky Carroll

そして、一番長く一本の波でノーズライドした人に送られる、ロンゲスト シングル ノーズライド賞も、1位がMickey Munozの9.9秒、2位がCorky Carrollの9.8秒だった。
そして、HOBIEチームに優勝をもたらし、1,500ドルの賞金は、750ドルづつ、分けたそうだ。多分祝杯に消えていったに違いない。


このコンテストの結果、世界で初めて、ノーズライダーと認められたボードがHOBIEから発売されることになり、爆発的セールスを記録したことは言うまでもないそして、Mickey Munozは勿論のことだが、ボードを開発したPhil Edwardsも、最もノーズライドが上手く、ノーズライダーの開発も誰よりも優れていてもちろんシェイプもナンバーワン。という称号が与えられたのだった。
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ノーズライダーのテストを繰り返すPHIL


ということで、先日に出てきたTOM MOREY 、MICKY MUNOZ、PHIL EDWADS、MIKE HYNSONが現在、一同に会するということがどれだけすごいことかということなんです
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現在のMickey Monoz
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現在の PHIL EDWADS


参考文献
HOBIE MASTER OF WATER
MICKEYMUNOZ NO BAD WAVES


By Masa




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